火力戦のすゝめ のバックアップ(No.3)

火力を活用した戦い方について解説。

火力戦の意義 Edit

サプレッションの概念が存在する今のSquadの歩兵戦においては、
敵をキルすることよりも有効な制圧を掛けることの方が重要である。
Squadでは一定範囲に敵の銃弾が掠めると照準安定性や視認性が低下する。
この効果は敵を殺害することはできないもの、射撃が至近に命中するだけで敵の射撃能力を低下させるか射撃不能となり、移動も困難になる。
この状態を釘付け状態といい、釘付け状態にある敵兵は戦闘力をほぼ喪失する。
至近距離のガンカタの場合はこの限りではないが、相手に射撃をすることのみで発揮できる能力としては極めて高い。
この極めて強力な効果のためにワンマンアーミーは不可能に近くなり、まとまった集団による火力優勢を目的とした撃ち合いが歩兵戦のキモとなる。

火力優勢を発揮するために重要な概念 Edit

ランチェスターの法則 Edit

従来の火力に頼らない戦いと、火力による戦いとの圧倒的な違いを理解する上で便利な考え方なので解説する。
ランチェスターの第一法則では、従来の1v1の削り合いについて解説している。
第一法則において攻撃力は、兵員の数に直接比例する。
また損害について、従来の戦闘は本質的に一騎打ちの繰り返しであるため、戦闘を通して常に一定量である。
第二法則では、現代の銃撃戦における損害の出方について解説している。
第二法則において攻撃力は、兵員数の二乗で表すことができる。
そして損害に関しては、戦闘が続けば続くほど敵側の損害率が上昇する。
これは、射撃戦がお互いが確率的に敵を攻撃する行為であることに由来し、同時に発揮できる火力が高ければ高いほど戦闘で有利になることを示している。
火力について考えずに戦闘する部隊と、火力について考えて戦闘する部隊とで埋め難い差が発生すること、
双方が火力戦を行なっている場合、火力優勢を取ることが敵の早期殲滅と損害低減に顕著な効果を示すことがよくわかる。

火力支援、制圧と釘付け(+敗走) Edit

冒頭でも少し解説したが、ランチェスターの法則以上の効果を示す別の働きとして改めて紹介したい。

  • 火力支援と火力攻撃
    火力支援と火力攻撃は、その目的によって分類される。
    火力支援とは、部隊の行動を支援するために行われる火力の投射を指す。
    火力支援では敵の殺害を目的とせず、その目的は敵を制圧して味方の行動を安全に行うことである。

火力攻撃とは、敵を破壊するために行われる火力の投射を指す。
主目的は敵の殺害であるが、失敗した場合でも火力支援としての意味を持つ。
両者は多くの場合複合するが、兵器の種類や目標によって明確な向き不向きが存在する。
その向き不向きを理解して戦いを進めるのが、火力戦マスターへの第一歩である。

  • 制圧と釘付けについて
    リアルにおいては制圧という言葉のみが使われることが一般的である。しかし、ここでは分かりやすさのために釘付けと言う言葉も用いて解説する。

ここでは制圧を次のように定義する。
制圧とは、敵からの火力投射によってこちらの行動が制限されている状態またはそれを再現したゲームシステムを指す。
制圧システムによって、敵から射撃を受けている兵士の戦闘能力が低下するので、これを最大限に利用することで勝利を掴むのが火力戦の目標である。
釘付けとは、敵を制圧することによって身動きや反撃を不可能とすることで、部隊を無力化すること、またはその状態である。
この状態に陥った部隊は有効な反撃を行うことができなくなってしまうため、歩兵の接近戦や火力攻撃によって容易に掃討することが可能である。
火力戦においての理想は、圧倒的火力で釘付け状態にした敵兵に接近戦や火力攻撃を仕掛け、ほぼ被害を受けずに排除することである。
リアルの場合、限界まで釘付けにされた敵兵が逃亡する敗走があるが、Squadの兵士は死を恐れないのでほぼ発生しない。

火力戦で重要となるロール Edit

ここでは、火力戦においての重要な役割を担うロールについて以下の四要素を用いて
5段階評価(下からD/C/B/A/S)で評価する。
・攻撃力
→撃ち合いにおいて実際に敵を殺害する能力
・制圧力
→撃ち合いにおいて、敵を制圧する能力
・継戦力
→攻撃し続ける能力
・耐久力
→制圧されても攻撃できる能力

軽機関銃手(Automatic Rifleman)  Edit

・攻撃力 B+
・制圧力 S
・継戦力 A+
・耐久力 A+
まさに連続発射で弾幕を張り、制圧するためのロールである。
個人で傾向する弾数がとても多く、長時間強力な制圧を維持できる。
MG兵とAR兵の2種に分けられ、MG兵の攻撃力はより高い。
しかし、基本的にキルは期待できないこと、マズルフラッシュが分かりやすいことにより、リロード時に反撃を受けやすい。
そのため、リロードを行うときは必ず声掛けをして味方のカバーをもらうことが重要である。

擲弾兵(Grenadier)  Edit

・攻撃力 S
・制圧力 A
・継戦力 C
・耐久力 A+
機関銃兵が火力支援のプロならこちらは火力攻撃のプロである。
高い範囲攻撃力を持つグレネードを遠方から正確に撃ち込むことが可能で、位置が分かる敵や遮蔽物の中に籠もる敵に対して効果的である。
スモークによって射線を切ることも可能な器用万能な存在である。
欠点は、機関銃のように連続して広範囲を制圧する力に乏しいこと。
榴弾は20発ほどの場合が多く、バカスカ撃っていると一瞬で弾切れしてライフルマン以下に成り下がる。
RPG-7を持つLATには、多めのグレネードと対歩兵向けのRPG弾頭が装備される。
これにより、継戦能力には乏しいものの、一時的に高威力な擲弾兵として戦うことができるため、ある陣営では積極的に使うことをおすすめしたい。

ライフルマン(Rifleman) Edit

・攻撃力 A
・制圧力 B-
・継戦力 S
・耐久力 B
自動小銃とグレネードを備え、倍率照準器を持つものは特に遠方の敵を排除することも可能である。
しかし、脳死でスコープ付きライフルマンを取ってはいけない。
スコープ付きライフルマンは制圧に弱く、戦闘能力の維持が難しいことが多い。
また、ライフルマンは火力支援兵の援護を受けて突撃することになりやすいため、基本的に接近戦で有利なほうが望ましい。
即時に使用できるグレネードが一つ減るのも痛いので、敵を確実に排除できる自信がないならやめたほうがいい。

選抜射手(Marksman) Edit

・攻撃力 A+
・制圧力 D
・継戦力 A
・耐久力 D
火力支援兵科としては、一番扱いにくい兵科である。
正確な狙撃による排除能力は高く、敵支援兵を一撃で倒すことに長ける。
個別目標が相手であれば反撃すら貰わないパーフェクトな排除が狙える高いスペックはある。
しかし、ひとたびこちらが敵の標的になれば、制圧で対抗することは難しい。
いかに撃ち返されず迅速に敵を排除できるかがキモである。

火力戦を戦うには Edit

ここまで、火力戦の意義や火力戦において重要になる概念、ロールの特性について解説してきました。
ここからは、火力戦の考え方を実際に活用した戦い方について解説していきます。

撃ち返せない相手を倒す Edit

多くのアーケード系FPSでは、迅速なエイムと早撃ちの勝負によってやるかやられるかが決まります。しかし、このゲームは全く違います。
相手と撃ち合いをしなくても勝てるのです。
それはなぜか。制圧があるからです。敵より高い火力・多い銃弾を撃ち込むことで、相手が満足に射撃できなくなるのです。
わざわざ対等な立場から、西部劇のガンマンのように戦う必要は全くないのです。
むしろ、対等な交戦は避けるべきです。
一対一の接近戦の勝率は、敵と対等であって初めて五割です。
敵が自分よりも多かったり、相手が自分より射撃が得意ならばその勝率はもっと下がります。
相手に銃撃を浴びせ制圧し、グレネードで敵を爆破しましょう。
そうすれば、銃がまったく当たらない初心者も多くのベテランを倒します。

継続した制圧が命 Edit

制圧において最も重要なことは何か。
それは、途切れさせないことです。
多くの場合、制圧効果は長続きしません。
小銃弾での制圧程度では、リロード中のほんの2~3秒の隙を突いて敵は体勢を立て直し撃ち返してきます。
爆発物を叩き込み仕留めきるその時まで、敵を制圧し続けましょう。
リロード時や移動時は味方の援護をもらいましょう。
味方から「リロード中!!」という声が聞こえたなら、銃弾を撃ち込んで援護しましょう。
自分の近くに弾丸が飛んできたなら、敵を探さずすぐに撃ち返して制圧しましょう。
敵を見つけようとトリガーを緩めた、その時が命取りです。

味方と共に戦う Edit

あなたが撃たれて地面に倒れ伏したとき、その仇を滅多打ちにして倒すために味方が存在しています。
このゲームは「Squad」です。仲間を頼りましょう。
また、数人の味方に敵への制圧を任せることで、撃たれずに肉薄できる可能性が格段に上昇します。
これを交互に繰り返すことで、制圧を高水準で維持しながら前進することができます。

砲兵は敵を倒せるのか Edit

迫撃砲や榴弾砲による間接砲撃は、兵士を吹き飛ばすのに十分な爆発物の雨を敵の頭上に降らせます。その攻撃力は極めて強力で、敵を分隊まるごと消し飛ばすこともあります。
では、砲兵は敵を排除し切れるのか。
答えはNOです。
砲撃は、準備が整っていない歩兵に対して壊滅的である一方、建物の中や遮蔽物の近くで防御姿勢を取る歩兵を排除することはできません。
多くの場合、砲撃を受けた兵士の五割から八割は生存します。
遮蔽物の多い市街地の場合、全く排除できないこともあります。
しかし、砲撃には唯一無二かつ強力な能力が別にあります。
それは、極めて広範囲かつ強力な制圧能力です。
砲撃を食らった分隊はしばらくの間、負傷者の治療と歪む視界に悩まされます。
また、砲撃の着弾音は大きく、音による索敵を困難にするでしょう。
砲撃の直後に敵陣地に侵入できれば、相手がそれを止める力はもはや残されていません。

支援車両を活用せよ Edit

武装のついた車両は、強力な移動式制圧装置です。
敵に射撃を命中させることは簡単ではありませんが、当たればミンチですし撃たれた相手はマトモに顔を出せず味方を撃つことが困難になります。
分隊の制圧射撃の役割を肩代わりする、協力してさらに強力な制圧を掛けるなど、活用方法は無限大です。
前述した砲撃と相性がよく、砲撃直後に射撃しながら輸送車両として肉薄し歩兵を突入させる戦術は、敵の防衛部隊をFOBごと破砕するのに十分な破壊力を持ちます。

終わりに Edit

ここでは、火力戦の意義から有力なロール、戦術について解説してきました。
Squadは、FPSであると同時に高度な戦術ゲームです。
「一頭の狼に率いられた百頭の羊の群れは、一頭の羊に率いられた百頭の狼の群れにまさる。」
とはナポレオンの言葉ですが、
火力戦の考え方は、新米プレイヤーでも大勢のベテランを倒し得るものです。
「自分は銃撃戦が不得意だ」と思っている人間こそ、火力戦の考え方を理解して戦い、勝利を手にしてほしいと思います。


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